ティーカップ?タイニー?トイ?

最近は落ち着いたでしょうか?

一時期、流行りに流行ったプードル。正確にはトイプードルという種類です。

 

体高(地面から首の付け根あたりまで)が26cm〜28cm、体重が3kg前後が理想とされています。この「理想」というのは、犬種標準(スタンダード)と呼ばれる人間が定めた各犬種のスタイルです。人間で言うと、理想の身長、体重、目の形や歯並びなどを示したものです。

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もちろん生き物ですから、そこに当てはまらない犬もたくさんいます。体高が30cm、体重が5kgくらいのトイプードルもたくさんいます。

そもそも、現在の犬は人間が飼育環境に合わせて繁殖、改良して来ました。牧羊、荷引き、狩猟、警護など。最終的に愛玩という目的で存在しているのが、今の日本にいる犬の大半でしょう。

トイプードルも荷引きをしていた大型のスタンダードプードルから、徐々に長い年月をかけて小型化したものです。17世紀や18世紀にはその存在が確認されていたと言いますから、トイサイズとして固定されてから長い時間が経っています。

トイプードルに関しては、愛玩だけでなく、狩猟やサーカス犬としても活躍していた事から、聡明で活発な一面を持っている事が伺えます。

ところがここ10年程でしょうか?トイを下回る小さなプードルとして、「ティーカップ」「タイニー」といった種別が出てきました。

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この呼び方は、繁殖をする方や生体販売をする方の間では、小ささの指標として普通に使われていたらしいです。

気をつけていただきたいのは、何百年と固定されていた特徴をたった十数年で変化させようと繁殖された犬達には、残念ながら弊害がでます。骨が弱い、関節が弱い、それらに伴い日常生活において怪我をしやすいなど。

トリミング中に前足を持っただけで骨折したという話も聞いております。

従来のトイプードルでさえ、私がトリマーの学校に通っていた頃のプードルとは別犬種のようです。毛が柔らかく、毛量が少ない今のトイプードルは毛が絡みやすく、手入れを怠ると毛もつれ、毛玉になりやすいです。


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こういった歴史的背景に基づく犬種の特徴や、被毛の特徴をキチンと理解して飼わないと、「こんなはずではなかった」ということになりかねません。

生体販売業者は犬が売れなければ商売になりませんから、良いことばかり言うでしょう。最近では膝の緩みや頭蓋の開きなどがある場合は、明示してある業者もあります。

一方で、高齢のご夫婦に超大型犬を売ったとか、100%遺伝する疾患があるのを知りながら繁殖した犬を売ったなど、残念ながら悪質な業者はたくさんあります。

 

皆さんは旅行に行く時、目的地の事をしらべますよね?観光名所や名物料理、宿泊先の手配など。それと同じです。犬を迎える時には、その犬について自分で調べる、その犬種を飼っている方にお話を聞くなど能動的に動きましょう。

昨日いらっしゃったお客様がミニチュアシュナウザーをお連れだったのですが、いわゆる「シュナウザーカット」をご存知なかったのには呆れました。

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ちなみにそのお客様のシュナちゃんは全身毛玉だらけでいらっしゃいました。そして、例のごとく「あまり短くしたくない」と、こうです。

 

次回からは犬種ごとにトリマー視点で、飼いやすさや問題点、お役に立つグッズなどを紹介出来ればと思っております。